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【第39回】物流不動産業界専門用語㉞~スロープ式倉庫:メゾネットタイプ~
~物流業界でよく使用される用語についてご紹介~
【スロープ式倉庫:メゾネットタイプ】
倉庫などの物流施設には、シンプルな平屋建てから複数階ある大型マルチ倉庫まで、さまざまな構造のものが存在しています。スロープ式倉庫は主に、複数階あるマルチ倉庫に用いられ、スロープにより該当のフロアへアクセスする倉庫のことを指します。今回、このスロープ式倉庫また、メゾネットタイプについてまとめました。
1.スロープ式倉庫
スロープ式倉庫とは、複数階ある倉庫の上層階へ、スロープを利用してトラックが直接搬入できる構造の倉庫となっています。1階のみで荷捌きなどを行い、施設内の昇降設備で搬送する構造ではないので、保管フロアへのアクセスが容易となっています。しかしながら、ランプウェイ式のように螺旋状の車路ではなく、直線的な車路になるため、必ずしもすべてのフロアに接車することを前提にしているわけではありません。そこで、メゾネットタイプとして活用することが効率的な手法となってきます。
2.メゾネットタイプ
メゾネットはフランス語で「小さな家」を意味します。集合住宅の間取りの一形式のことであり、1住居を2階分使って形成し、中に階段を設けて上下階をつないでいるタイプの間取りとなります。メゾネットタイプは、集合住宅などの居住用物件で主に用いられる間取りとなりますが、倉庫などの事業用物件でも同様の使い方をする場合があります。たとえば、1階が倉庫で2階を事務所仕様とした、規模感は居住用物件とあまり変わらないような集合住宅タイプの倉庫、また、スロープ式などと合わせた大型マルチ倉庫などがあげられます。
3.スロープ式倉庫:メゾネットタイプ
前述のとおり、スロープ式倉庫はその車路が基本的に直線となっており、ランプウェイ式とは違って、必ずしもすべてのフロアに接車することを前提としていません。そのため、4~5階建ての大型マルチ倉庫などでは、3階へのスロープを設け、1~2階と3階以上に分けてメゾネットタイプとして提供している物件もあります。この場合、一般的なワンフロア内の区画区分と異なり、居住用のように建物を縦に分割するような区画区分となります。また、2階と3階へはスロープで接車できるようにし、1階と2階はそれぞれ平屋使い、3階からはメゾネットタイプとして分割する、といった施設もあります。それぞれ倉庫内の垂直搬送機や貨物用エレベーターを用いて接車階から上階へ搬入する流れとなっており、基本的に各区画に専用の昇降設備が備え付けられています。
以上、スロープ式倉庫とメゾネットタイプについてまとめました。スロープ式は、その車路や各フロアのバースを作らなければならないため、その分保管面積が狭くなってしまいますが、アクセスの面で効率的です。また、メゾネットタイプは昇降の手間がかかる面がありますが、区画貸しで縦使いをしたいテナントには向いています。このように、倉庫の造りも多種多様になっているため、自社ニーズにあった倉庫の選択が重要となりそうです。