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物流倉庫の賃料相場~関東エリア~

物流倉庫の賃料相場~関東エリア~

 昨今の物流市場は、eコマースの拡大、都市部の物流需要の増加、そして新型コロナウイルスの影響によるオンラインショッピングの普及などに伴い、需要が高まり続けています。そして、その物流市場を支える物流倉庫もまた、需要の増加、それに伴う顕著な成長を遂げています。
 なかでも、関東圏では物流の中心地としての地位を確立し、賃料相場にもその動向が反映されている傾向にあります。そこで今回は、「倉庫を借りる」際に関するお金の面に着目しつつ、なかでも関東エリアの賃料相場に焦点をあて、説明していきます。


1. 貸し倉庫のメリット
 倉庫を上手に活用することは、物流の効率化や輸送費の軽減に繋がります。しかしながら、自社で大規模な倉庫を所有するというのはハードルが高く、費用面での負担が大きいものとなります。そこで活用したいのが「貸し倉庫」です。倉庫を借りることで、土地代や建設費といった大規模な初期投資が不要となり、また、そのときのニーズや時流による変動にも対応しやすいといったメリットがあります。


2. 初期費用
 貸し倉庫を借りる際には、一般的に以下の初期費用が発生します。

 ・敷金:家賃の数ヶ月分を前払いし、契約終了時に返金される。
 ・礼金:契約時に支払う一時金で、返金されない。
 ・仲介手数料:不動産業者に支払う手数料。
 ・保証金:契約違反や損害に備えるための金額。

 項目としては居住用物件と大きく差はありません。ただ、金額は大きく異なり、例えば敷金ですと、居住用が基本的に家賃の1~2ヶ月なのに対し、倉庫などの事業用物件は3ヶ月以上が当たり前です。大体の目安になりますが、この初期費用の総額にかかる費用は、家賃の5〜8ヶ月分が一般的です。


3. 賃料の計算方法
 一般的に貸し倉庫の賃料は「坪単価×建物の面積」で計算されます。この坪単価は、建築物を建てる際の1坪当たりの建築費のことを指します。つまり坪単価に差により、同じ面積の貸し倉庫でも賃料が変わってきます。
 貸し倉庫の賃料相場自体は、募集時期などからも変動するため、一概に把握できるものではありませんが、この坪単価で大体の相場観を掴み、相場より高いのか安いのかをおおまかに把握していきます。


4. 高賃料の倉庫の特徴
 相場より賃料が高くなる理由はさまざまですが、以下の要素による上昇が考えられます。

 ・立地:都心部や交通の便が良い場所、また、工業地域などに位置している。
 ・災害リスク:洪水や地震などの災害リスクが低い地域にある。
 ・設備:最新の設備やセキュリティシステムが整っている。

 上記のような背景により、物流活動を行うメリットが高いと考えられる施設に関しては、その分賃料に反映されていると考えられます。


5. 関東4都県の賃料相場
 前述のとおり、賃料の設定は各物件の状況で異なるため、一概に相場を決められるものではありませんが、当社で独自に調査した関東エリアの賃料相場の平均は以下のとおりです。

 ●東京都 :7,527円/坪
  東京23区:9,481円、湾岸エリア:8,830円、西東京エリア:4,272円

 ●神奈川県:6,212円/坪
  横浜:8,261円、川崎:8,425円、相模原:6,179円、横須賀三浦:3,975円
  湘南エリア:4,516円、県西エリア:6,752円、県央エリア:5,381円

 ●埼玉県 :4,726円/坪
  東部:4,913円、中央:5,638円、北部:3,680円、西部:4,676円

 ●千葉県 :4,989円/坪 
  北西エリア:4,446円、湾岸エリア:4,735円、北総:5,724円、房総:5,053円

 この平均も調査時のものであり、時期やニーズの変化により、すぐに変動することが考えられます。関東圏の貸し倉庫市場は、上記のとおり東京都がより高くなっていますが、東京ベイエリア、横浜湾岸、千葉湾岸などの湾岸エリアも物流施設の需要が高まっています。これらのエリアは、都心へのアクセスが良好であり、大型物流倉庫の開発が進んでいるからです。
 特に2022年から2024年にかけ、首都圏エリアにおいてはおおよそ5~10%の賃料上昇傾向にあると言われています。都内では、都心に近づくほど賃料が高くなる傾向になっており、坪単価が10,000円を超える物件もあるほどです。また一方で、外環道周辺などのエリアは、賃料はやや低めであり、物流倉庫の需要が広範囲に及んでいます。しかしながら、ラストワンマイルの物流倉庫需要の高まりによる賃料上昇も散見されており、今後の市場動向が注目されています。


 以上、倉庫を借りる際の、お金に関するポイントをまとめました。コロナ過を経て、物流市場の成長とともに、物流施設への関心もより高まっています。さまざまな設備を備えた大型マルチ倉庫や、AIやロボットを活用した自動倉庫なども登場し、さらなる物流の効率化が期待されています。もちろん、多種多様なニーズがあり、従来のシンプルな倉庫も変わらず存在しています。
 今回、賃料相場に焦点をあて、貸し倉庫の金銭的な面を取り上げました。前述のとおり、倉庫の種類も豊富になっており、一概に相場を決められるものではありませんが、大体の相場から離れていれば、何かしらの要素があることが考えられます。このように、倉庫を借りる際には、賃料相場と比較しつつ、物件への理解を深める必要があります。
 物流倉庫市場に精通している専門の不動産仲介業者であれば、おおまかな相場を把握し、各物件のメリット・デメリットをご案内することができます。契約に際しての交渉なども代わりに行うため、適正価格での賃貸契約をサポートすることが可能です。安心して、なおかつスムーズな物件探しができるようお手伝いいたしますので、貸し倉庫をお探しの際は、ぜひご相談ください。

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