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【第32回】物流不動産業界専門用語㉗~荷物用エレベーター~
~物流業界でよく使用される用語についてご紹介~
【荷物用エレベーター】
荷物用エレベーターは、大量かつ大型の荷物を効率的に垂直移動させる設備のことであり、工場や倉庫などの物流施設において、とても重要な役割を持っています。以下に、荷物用エレベーターの基本的な概念などについて、おおまかにまとめました。
1.荷物用エレベーターの定義と目的
荷物用エレベーターは、人が乗ることを目的とした一般的なエレベーターとは異なり、荷物のみを運ぶために特化されています。これらは主に、重量物などを運ぶために設計されており、工場の生産ラインや倉庫のストックエリアなど、物流の効率化が求められる場所で活躍します。
2.設計の特徴
荷物用エレベーターは、その機能を果たすために、いくつかの特徴的な設計要素を持っています。まず、積載可能な荷重に対応するために、床面が強固に作られています。また、大型の荷物を容易に出し入れするために、ドアの開口部は広く設計されています。これにより、フォークリフトなどの搬入機器との連携もスムーズに行えます。
3.昇降機構の種類
荷物用エレベーターには、主に「トラクション式(ロープ式)」と「油圧式」の2種類の昇降機構があります。トラクション式は、ロープと滑車を使用して荷物を昇降させる方式で、高層ビルに適しています。一方、油圧式は、油圧直接式と油圧間接式があり、油圧シリンダーを利用して荷物を持ち上げる方式で、中低層ビルや限られたスペースでの使用に適しています。
4.導入時の注意点
荷物用エレベーターを導入する際には、いくつかの重要な点に注意を払う必要があります。特に、積載荷重の確認は欠かせません。設計された荷重を超える使用は、エレベーターの故障や事故の原因となり得ます。また、フォークリフトなどの搬入機器を併用する場合は、その重量も含めた総荷重の計算が必要です。
5.最大積載量
一般的な大型荷物用エレベーターの最大積載量は油圧直接式で30t、油圧間接式で20t、ロープ式で17tとなります。
東京に所在する物流倉庫では、積載量50tの超大型荷物用エレベータが導入されており、40fコンテナ積載のトレーラーをけん引したトラックがそのまま乗ることができます。
以上、荷物用エレベーターについてまとめました。物流の効率化を実現するための重要な設備である荷物用エレベーターは、適切な設計と機構の選択、そして正確な荷重管理により、安全かつ効率的な荷物の垂直移動を可能とします。特殊な環境下での利用や法令上の規制に留意しつつ、最適な荷物用エレベーターを活用することが、物流の効率化に繋がると考えられます。