【第３１回】物流不動産業界専門用語㉖～垂直搬送機～

～物流業界でよく使用される用語についてご紹介～

【垂直搬送機】

　垂直搬送機とは、工場・倉庫などの建物に設置される、上下階へ荷物を垂直方向に搬送する設備のことをいいます。通常のエレベーターなどとは異なり、荷物専用の運搬機となっており、搬出入の際にも人が直接介在しない構造となっています。以下に、垂直搬送機の種類と特徴、そして導入する際のメリットなどについてまとめました。


1．垂直搬送機の種類
　・トレー式タイプ：搬送用のトレーやカゴに荷物を積載して運搬します。荷物の形状を選ばず、複雑な形状の荷物も積載可能です。また、台車やカートラックごと運搬できるものもあり、作業工数の削減に貢献します。
　・コンベヤ式タイプ：ベルトコンベヤーやローラーを備え、荷物を自動でトレーまで運びます。一連の作業が自動化されており、様々な重量や種類の荷物に対応可能です。
　・連続搬送式タイプ：製造ラインとコンベヤで接続され、連続的に荷物を昇降可能です。製造から搬送までのプロセスを自動化し、生産効率を大幅に向上させます。

2．垂直搬送機の導入メリット
　・労働コストの削減：自動化により、人手による運搬作業が減少し、人件費を節約できます。
　・作業効率の向上：連続運転が可能であり、迅速に荷物を移動させることができます。
　・安全性の確保：重い荷物を持ち運ぶ際の事故リスクを減らすことができます。
　・法令遵守：労働安全衛生法などの規制に対応するための設備として役立ちます。

3．垂直搬送機の選定ポイント
　垂直搬送機を選ぶ際には、「現場に適しているか」を考慮することが重要です。昇降速度やサイズなど、目的に応じたスペックの機械を選ぶことで、導入コストと期待できる効果のバランスを最適化できます。


　以上、垂直搬送機について簡単にまとめました。荷物の大きさや重さによっては垂直搬送機の規格を超えてしまうこともあり、基本的には荷物用エレベーターと併用して設置されています。しかしながら、垂直搬送機は現代の物流システムにおいて欠かせない要素であり、その多様性と効率性は、様々な産業での生産性向上に大きく貢献しています。