【第５回】物流業界の今後の課題、2024年問題の対策について～求貸求車システム～

【求貸求車システム】

国民生活や経済活動を支える重要な社会インフラである物流ですが、現在、人手不足や生産性の低さなど、あらゆる方面で課題に直面しています。
そのような状況のなか、トラックドライバーへの働き方改革を促す法律が2024年に制定されます。
人手不足の物流業界を魅力ある職場にするための法律でもありますが、一方で労働時間が短くなることが想定されるため、物流の停滞が懸念されています。
そのため、2024年における輸送力不足の解消を目的とし、あらゆる対策を講じる必要があるというのが現状です。

国は、「物流革新に向けた政策パッケージ」として、いくつかの具体的な施策をあげています。
そのなかで取り上げられているうちのひとつに、物流の効率化を促進するための施策として、「求貸求車システム」というものがあります。
これは、物流ＤＸという、デジタル化を通じての変革を促す取り組みのひとつとして提唱されており、荷主と運送会社を希望条件でマッチングさせるクラウド型サービスなどがございます。
クラウド型サービスなどを活用することで、荷主側は、直接配送業者や配送できるトラックを探す手間が軽減し、運送会社側も荷物を探す手間を軽減させることが可能となります。
基本的な仕組みとしては、荷主側は運びたい荷物をサイト上に登録し、運送会社側からのオファーを待つ、もしくは、運送会社側が登録している空きトラックの情報を検索し、依頼を出すという流れになります。
運送会社側も同様に、空きトラックの登録、条件の合う荷物を検索するという流れになります。
このように、クラウド型サービスなどを通すことで、手間や無駄を省き、効率的に運行計画をたてていくことが可能になると見込まれます。

「求貸求車システム」の特徴をまとめると以下のようになります。

荷主側のメリット：配送業者や空きトラックを探す手間が軽減される。
運送会社側のメリット：運ぶ荷物を探す手間が軽減し、空きトラックの有効活用が望める。また、荷待ち時間の短縮や帰り荷の選定など、運行計画の効率化につながる。
デメリット：サイトの登録料がかかる。また、使い方に慣れるまで時間がかかる場合がある。

以上のように、当然ながらメリットだけでなくデメリットも存在し、DX化そのものに戸惑いや抵抗がある場合、導入自体に時間がかかる可能性も考えられます。
今後導入していくにあたり、各サイトの特色を把握し、活用していくことが望まれます。

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