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【第44回】物流不動産業界専門用語㊴~造作~

~物流業界でよく使用される用語についてご紹介~
【造作】
「造作」はさまざまな意味を持つ単語です。簡単なことを意味する「造作もない」という用語に用いられたり、建築用語として室内装飾や家具などに用いられることもあります。賃貸物件においては借主が設置した設備などに用いられ、貸し倉庫といった事業用物件にも関わる用語です。今回はこの「造作」の、賃貸の際に用いられる内容についてまとめました。
1.造作とは
賃貸物件は契約終了時に原状回復が求められますが、その際、撤去や復旧の対象となる仕上げや設備、備品類に対し、造作という呼び方をします。借主側で設置した、壁・床・天井の仕上げや空調設備、給湯機器などがそれにあたります。判例では、「建物に付加された物件で、賃借人の所有に属し、かつ建物の使用に客観的便益を与えるもの」と解されています。
2.造作における注意事項
①事前の許可
賃貸物件で造作を行う場合、必ず貸主や管理会社の許可を得ることが重要です。無断で造作を行うと、契約違反となる可能性があります。
②原状回復義務
造作を行った場合、退去時に原状回復義務があるのが通常です。つまり、部屋を借りたときの状態に戻す必要があります。これには、造作を撤去し、元の状態に戻すことが含まれます。
③造作買取請求権
借地借家法に基づき、一定の条件下で借主は造作買取請求権を行使することができます。これは、借主が設置した造作を貸主に買い取ってもらう権利です。ただし、これには許可が必要です。
④有益費償還請求権
借主が物件の価値を向上させるために行った改造については、有益費償還請求権を行使することができます。これは、借主が支払った費用の一部を貸主に請求する権利です。
⑤契約書の確認
賃貸契約書には、造作に関する特約事項が記載されていることがあります。例えば、「造作の買取請求を行わない」といった特約がある場合、借主は造作買取請求権を行使できません。契約書をよく確認し、必要に応じて貸主側と相談することが大切です。
以上、賃貸分野における造作について、簡単にまとめました。貸し倉庫や店舗といった事業に用いる物件では、空調設備やレイアウトの造作などを行うことが多々あります。賃貸物件で造作を行う際には、事前の許可を得ること、原状回復義務を果たすこと、そして契約書の内容をよく確認することが重要です。これらの注意事項を守ることで、トラブルの回避に繋がります。